豊前に向かって移動中、
台風が熱帯低気圧に変わったとラジオが伝えていました。
海の近さを感じさる道沿いの街並み。
「浜の宮」という看板の矢印につられて左折。
大きな天満宮がありました。
車から降りると、
駐車場の道向かいにある、堤防をかねた石階段のむこうから、
ザッパーン、ザッパーンと
大きな波の音。
ちゃんと参拝して、それから海を見よう。
そう決めて、大きな階段に背を向けて、
鳥居の正面までゆっくりゆっくり移動しました。
ここは「綱敷天満宮(つなしきてんまんぐう)」
菅原道真公をおまつりしてある、東の大宰府とも呼ばれる神社だそうです。
大きな神社にたった一人の参拝者。
なんて贅沢な時間。
一つひとつの動作を丁寧に、穏やかに。
神社の浄化に役立つと書いてあったので、
おみくじを引いてみることにしました。
「大吉」。
添えられた言葉に気持ちが引き締まります。
「その手、その足、その言葉、
世のため、人のために役立つよう使っているのか?」
おみくじの裏にも、表にも、
自分の力を正しく使えているのか、
意識しながら進みなさいという意味のことが。
自分の言葉。
人に役立つよう使えているか?
もう一度かみしめます。
ゆっくりと参道を戻ります。
正面は海です。
潮の香りが、
古い記憶を呼び起こします。
嗅覚は、記憶との結びつきが強いと聞きますが、本当にそうです。
子どものころに磯釣りに連れて行ってもらった時の
岩場の感触までが蘇ってきました。
何度も打ち寄せる波を眺めながら、
波打ち際で波がロールするのは、地面の抵抗の影響が大きいんだな。きっと。
理屈っぽいことと、蘇る記憶が混ざりあって変な感じです。
でも、それが自分らしさかもしれません。
波打ち際の風景から、
まっすぐ遠くに目線を移すと、
水平線が鋭く刺さってきました。
水平線は直線だ。
地球は丸いと理解していても、
「直線だ」と感じる自分のほうが好きです。
感性を信じたほうが豊か。
海はいろいろ
洗ってくれます。
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