新しいお家の名前を「マイムス」にしました。
私は自分が設計した住まいに名前をつけてます。
これは一方的につけちゃうんですね、
親が子どもに名前をつけるように、
自分の想いを押し付けちゃうんですね。(笑)
オーナーさんご家族からリクエストがありましたので
どうして「マイムス」にしたのか書いてみたいと思います。
ごく自然に浮かんだ名前なので私からすると違和感はないのですが、
さて、いかがでしょうか。
マイムスは、住み手のご家族からイメージした名前で、
マイムという、言葉を使わない劇から発想して名づけました。
バレエの用語です。
あうんの呼吸だと、さらっと流れていくイメージですが、それとは違うんです。
引っかかるんだけど、
引っかかるって知ってて、外し方も知ってる。
すごく簡単に言えば、『わかりあってる家族。』
マイン(自分のもの)とかマイムマイム(喜びの歌)とか
いろんなものを重ねて、マイムスにしてみました。
流すのではなく、
引っかかるけど外せる。
指示がなくても自然にそうなる。
ご家族の気持ちの成熟度が高いんですよね。
もちろん言葉を使うんですけど、溶けていくように馴染んじゃうんですよね。
キャラクターがほどよく粒だってる感じ。
そのことは間取りにも反映されてて、
個々の空間がそれぞれ確立されてるんだけど、
遠方からの来客に対応するといった短期的な変化にも
離れて住む親と同居するといった長期的な変化にも
個々の世界を崩さずに対応できるようになってます。
家族の折り合いの付け方が素晴らしいんですよね。
設計者ができるのは提案だけ、
受け入れられる方法を選ぶのは、住み手の力。
いい住まいに育つと思います。
マイムス。
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