おもしろいアンケート結果がありましたよ。
新建ハウジング社(住宅業界の専門誌)のアンケートで、
施主(住むひと)と、事業者(つくり手)の意識調査です。
施主が望むことを、
事業者が提案出来ているのか、
そこにあるズレがよくわかる結果でした。
暮らしを楽しむという、大きな方向性は同じなのですが、
事業者に追いつけていない部分があることが、
明確になっています。
まずは、家づくりの方向性について。
[施主]趣味を楽しむ暮らしをしたい。93%
[事業者]趣味を楽しむ暮らしを提案している。95%
ともに、暮らしを楽しむための家づくりをしたいと考えています。
住む人の望むものと、つくる人の提案の方向性が、とても高い確率で合っていて、
目指すものは同じという理想的な関係です。
ところがですね、
もう少し詳しい回答内容を見ていくと、
ズレている部分もあって。
これが、住宅業界全体の悩みに近い部分じゃないかと思うんです。
実は、私も同じ悩みを抱えていたころがありまして、
乗り越えるのに苦労をしたのでよくわかるのです。
それは何かというと・・・「庭」です。
建物の性能、
たとえば断熱性能や、防火性能、耐震性、音に対する対策などなど。
数値で測れるものには、一定の指標がありますし、
説明しやすいデータもそろっています。
営業マンも建築士の能力を
資料によって底上げしやすいのが、
ハード面です。
それに対して、
庭のことは、暮らし方そのもの。
暮らしというソフトを充実させることができるという
説明は、意外に難しいのです。
話を戻しまして、
アンケートの結果。
心配したとおりというか、、、
住まい手は「庭を楽しみたい!」のに、
つくり手は「庭に弱い。」という状況です。
[施主]自宅庭でアウトドアを楽しみたい。86%
[事業者]アウトドアの提案がうまくできていない50%
[施主]家庭菜園に興味がある。89%
[事業者]家庭菜園の提案がうまくできていない67%
モノの説明はできるんですよね。
ウッドデッキつくって、椅子テーブルを置いて。。。
絵や写真で、庭あそびのイメージは伝えられますが、
庭あそびの実体験が少ないのが現実です。
実体験に基づくソフト面の提案は、
これからの家づくりに欠かせないものになってくると思います。
住まいの中に、リアルな体験を求める声にこたえるために
事業者は、リアルな体験のための提案力を蓄積しなくてはなりません。
これが克服できていないのが現状ですね。
私も、自分が持つ能力の中で、
「庭が弱い。」と感じていました。
本の知識や、
造園の専門家の助言を得ながら、
一定のクオリティで提案出来ていたとは思いますが、
自らの体験とは違うんです。
自転車に乗れないのに
自転車の設計してるみたいな
ちょっと歯がゆいところを
引きずっているのがイヤでした。
そのコンプレックスを払しょくできたのは、
やはり自由にいじれる「自分の庭」を持てたからです。
庭を介した、コミュニケーションも楽しさを倍増してくれました。
通りすがりのおじいちゃんが、植木の選定を教えてくれるようになったり。
お散歩中の親子と仲良くなったり。よちよち歩きの男の子が庭の葉っぱに興味をもったのがきっかけで。
庭しごとや、庭あそびの楽しさは、ご近所さんも教えてくれました。
体験したことが知識として蓄積されると、
ちょっとした提案も違ってきますね。
維持管理を楽にする方法とか、
収納の位置は、ここが便利とか。
どのお店が品揃えが良くて安いという
情報なんかも入ってくるようになるし。
もっともっと、庭あそびを楽しんで、
いろんな人の役に立つとうれしいなって思います。
ついでにといいますか、
DIYもお勧めしたいです。
庭しごとや庭あそびとDIYは相性がいいので。
自分の力で楽しめるのは、庭づくりと一緒です。
ちょっとした道具も自分でつくれば安くできるし。(^^)/
家庭菜園で育てた野菜を収穫して、
家族でDIYした椅子に座って食べる。最高ですよ!
そろそろ暖かくなってきたので、
庭いじりをしようかと思ってます。
以前から考えてはいたんですが、
ウッドデッキの端っこに、
お茶を楽しめるスペースをつくれたらいいなって。
とりあえずアリモノを置いてみて、
イメージを膨らませてみました。
テーブル、作業台にも使えるかな?とか、
通りから目隠ししたくなる時もあるかな?とか、
雨よけも出来たらいいなー、
欲張りすぎですね。(^^;
妄想して空間の可能性を膨らませて、
不要な発想はしてシンプルに集約する。
これが計画のコツです。
じっくり考え、一気に動く。
これは実現のコツですね。
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